「そーまのたらい」展のリポート曽我さん

現代美術製作所の曽我さんが「そーまのたらい」展のリポートを書いてくださいました。

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筑後船小屋の九州芸文館で行なわれている、Kosuge1-16の「そーまのたらい」展の写真を、もう少しアップ。
江戸時代に、芸文館のそばを流れる矢部川の治水事業に関わった田尻惣馬が、たらい(半切り)に乗って川を調査したという事蹟や、豊臣秀吉の伝説に登場する羽の生えた犬などをモチーフに、人が乗って遊べるメリーゴーランド、治水をテーマにした巨大なコースのある遊具、一緒にお散歩できる木製の犬のオブジェなどを制作。いつもながら、地域の情報を巧みに織り込む手法が興味深い。作品の大きさにも驚かされるが、自転車の動力で、ギシギシと音をたてながら動くメリーゴーランドには、「働くこと」と「遊ぶこと」が別々ではなく、本当は両者は深く結びついているというメッセージが託されているようで、改めて感慨深かった。また、地域のストーリーを読み込むだけでなく、実際に作品が展示される場を支配する、見えない力学や人間関係までも、意識的にプロジェクトに反映させることで、よりダイナミックかつ主体的に、アートが地域に介入するスタイルを試みていると感じた。
その意味では、当たり前のことだけれども、ものを作って終わりではなく、展示が完成したところから、初めてKosuge1-16の本来のプロジェクトがスタートするのだ。(展覧会は8月27日まで。)

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